日本での「LIFE SHIFT」実践 - 週刊東洋経済 2017/7/22号の特集より
著『LIFE SHIFT』では言及のない、日本での実践のしかた等を東洋経済が特集で取り上げていて興味深く勉強になったので、読書メモも兼ねて公開します。
・ライフシフト (LIFE SHIFT) の概要
これからは100年生きる時代に。
20007年に生まれた子は107歳まで生きると予測されている。
今までの60-70歳の定年まで一社で過ごすような世界から、以下の3つのスタイルを行き来・並行しながら(ライフ・シフト)人生を送る世界へなっていく:
ライフシフトをする上での4つのポイント:
- アイデンティティ "人生全体を貫く要素が何かを意識的に問う必要がある"
- 無形資産 ( 生産性資産、活力資産、変身資産 )
- リクリエーション (≠娯楽 余暇のありかた
- 夫婦の役割分担
*無形資産のオンライン評価公式サービス:
http://www.100yearlife.com
健康は100年人生のスタート地点。
好奇心は長寿社会の最大の武器。
好奇心の維持の秘訣:読書と旅行と自分と価値観、年代が違う人と接すること
by 著者 リンダ・グラットン
・著では言及されてないが考慮すべき、日本の現在の6つの主流派:
①未来志向若者系
②子育てママ系
③スローライフ系
④社外やりがい追求系
⑤経営危機直面系
⑥定年後不安系
・31人のライフシフト体験ルポ
実際にライフシフトを実践されている方の説明が並ぶ。
①佐藤邦彦 33歳
世界の価値観に触れるため、2017年4月から家族4人で世界を回っている。(今年1年間の予定。)
デンマークの人は手厚い福祉があるからこそ、生きる目的に悩む傾向にあるとのこと。
②筒井健太郎 32 三菱UFJリサーチ&コンサル
20代はひたすら無形資産に投資していた
③野原和歌 41
趣味のトレイルランなどから47の地元の味ポテチ開発へ
④小野俊樹 NTT 36
妻のNY留学&妊娠を機に同社男性社員初の2年間育休取得
⑤廣 優樹 37
本業外で、本業外の取組を支援するNPO経営
⑥牟田口武志 39
アマゾンジャパンから今治タオルメーカーへやりがい重視のキャリアダウンを
⑦巽雅幸 57
シャープでの仕事に限界を感じ55歳で子会社社長を辞め中国本社の日本子会社を立ち上げ
⑧高取剛充 58
山岳写真家から40後半より野外活動で人材育成をするネイチャーワークス設立
等
・隠れライフシフト実践法
-隠れエクスプローラー
社会人大学院
社外勉強会、異業種交流会
産休、育休でインプット
-隠れポートフォリオワーカー
社内で複数部署の仕事
休日にNPO活動
知人のスタートアップ支援
地域活動に参加(PTA
・ライフシフトを日本社会で行うにあたってのいくつかの社会事情
日本の年金は60-70歳の幅で受給開始年齢自由選択制
定年も年金支給も制度開始は55歳からが多かった
日本は欧米より高齢者の就業意欲が高い(若いうちは早くリタイアしたいと思うものの後に考え方を改めて社会と関わってたいと考える人など)
・フリーランス事情
2極化している。クラウドソーシングサイトでの動向から。
年収800万以上のフリーランスは特定企業と正社員に近い雇用関係になっている人が多い。当人にとっては営業行為の効率化となっている。
◯著名人のライフシフトについての言説
・孫泰造さん
学問の世界も深くなっている
髪型を変えるだけでもライフシフトに
・小林史明 衆議院議員
社会保険制度の中で個人を守る共助の仕組みを
◯ライフシフトに関連する企業の取組
・ヤフーのサバティカル休暇
10年以上社員に1ヶ月は給料が出る1-3ヶ月の休暇取得制度
辞めてる人いない
「いろいろ選択の自由があると思えるだけで気持ちが楽になり、目の前の仕事に打ち込める」
「社内でのロールモデルを外で見つけた」
・三井物産
7年以上勤続の社員向け起業支援制度
数百万円は自腹、3年給与支払いあり、その3年で成果が見られる