既に市場トップを走る競合に対してどのように「逆手」を打つか?-『逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変えるフレームワーク』

『逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変えるフレームワーク』

 

著者は早稲田大学ビジネススクール教授の山田 英夫氏で競争戦略が専門です。 

第3版2007年出版から、競争戦略の具体例をいくつか抜粋したものを以下に掲載します。(事例は2版から1/3が変わっているようです。)

 

各具体例

男性向けのリポビタンD

>女性向けのチョコラBB
「疲れていると、可愛くないぞ」

卸のあるコクヨ

>卸のないアスクル

松下電機

>ネット通販の伸びは魅かれるけどお世話になってきた実店舗を大切にしないといけないジレンマ

無料カード普及化

>高級カードのアメックスの事業拡大への足かせ

電通のコミッション料金制度

>外資のフィー制度への圧力を受けての博報堂の潜在力

テニスラケットメーカーのトレンドの変遷

ウッドのカワサキ
>
初心者でも返せるデカラケのプリンス
>
強度のあるカーボンのヨネックス(創業時は漁業用のウキのメーカー)

スポーツシューズ

スポーツシューズのカジュアル化に伴い、リーボックは皮を使い履き心地をよくしてシェアを伸ばしていた。

他方、アシックスはその皮ではスポーツ用途では強度に不安があるとのことで、皮の採用が見送られ、シェア獲得に差が出た。

各メーカーによりビジネスモデルの異なったデジカメ市場

ソニーはデータ編集によるメモリーやPC購入狙い
キャノンは印刷によるプリンタやインク購入狙い
富士フィルムは現像による現像所利用狙い

 

概要

リーダーを脅かす3つの敵

挑戦者-同業
侵入者-他業
破壊者-代替
*ポーターの提唱したファイブフォースに近い

リーダー転落の3つのトリガー

非連続的技術革新
ユーザーニーズの変化
法律・制度の変更

業界という言葉の現在の弱さ:

・業界の概念が意味を持つのは金融や医薬品など一部の業界
・カメラといってもオリンパスニコン・キャノンはそれぞれの強みの領域を確保しようとしている
・業界とは過去の区分を意味する、リクルートやサンリオは元々既存業界のない企業

ユーザーニーズについて

携帯電話>デジカメ、腕時計のニーズ
健康志向>スポーツvs医薬品

"保険は確率だからビジネスになるのであり、それが確実になったらビジネスではなくなる"